山陰・浜坂にある田渕が結構イケるらしいとの話は随分前から聞いていたが、 兵庫県北西部の浜坂は少し西へ行けばもう鳥取県という地。 神戸からJRの特急に乗っても3時間かかる。そう簡単には行けない所だけど、 そんなこんなで青春18切符で鳥取へ行くついでに行ってきました。

大阪を朝6時過ぎに出る電車に飛び乗り、 福知山、豊岡と乗り継いで浜坂に到着したのが10時40分すぎ。 実に4時間40分の旅。

お店に行くともう営業していた。 大地震が来たらペシャンコに倒れそうな小さなバラックで、 お世辞にも綺麗とは言えない。ガラリと戸を開けるとL字型カウンターで詰め詰めにして7〜8席ほどのキャパ。 すごく狭い。
メニューは中華そば…550円のほか、焼きそば…550円で、この2つだけ。 とりあえず中華そば注文。70代半ばくらいと思われるおばちゃんの名は「田渕豊子」さん。 自慢の中華そばをマイペースで作ってくれる。

スープは鶏ガラから取ったもので、 あっさりした味付けで、スープに浮かぶ油とダシの風味がすごく香ってくる。
スープは油で覆われているので湯気があまり立たず、熱々のスープだから寒い冬にはとても暖まる。 麺はごく普通の中細ストレート麺、具のモヤシ、ネギ、チャーシューもコレと言って特徴があるわけでもない。 とにかくホッとする味が丼鉢全体から漂ってきます。 京阪神からわざわざ食べに来るような物なのかと言うと個人個人の価値観によるので何とも言えないけれど、 近くに来た時には食べに行って損は無い店と言えます。
休みはいつなのか聞いたのをきっかけに、お店のおばちゃんと色々話をすることができました。 大阪や名古屋からわざわざ食べに来るお客さんもいるらしい。 私も神戸のほうから来たと言うと驚かれてしまいましたが(^_^;)…。
朝は10時くらいから開けるが、9時半から開けてることもある。 鳥取の眼科へ行く日(水曜日が多い)には休むが、それ以外、特に土日はなるべく開けるようにしていること。 でも急用で休むこともあるので、当日の朝に電話してもらえば良いとのこと。 おばちゃんの喋る鳥取寄りの但馬弁がとてもノスタルジック。